『陸送』という言葉をご存知ですか?自動車業界における陸送とは、一般的に「車両を陸上経由で輸送すること」を指しています。
例えば、車を購入した際に、まだ登録されていない車を運転、あるいは運搬し、購入者が販売されている場所から住む場所まで運ばなければなりません。また、引っ越し等に際して、車を自ら運転せず、現住所から引っ越し先に輸送する場合もあるでしょう。
さらに、特殊な車両によって故障車両・事故車両などの「不動車」を輸送する場合もあります。このように、車両を陸上輸送する際の方法・手段をまとめて『陸送』と呼んでいます。一般的には、自動車購入時の納車費用として計上されます。今回はそんな陸送について詳細をご紹介したいと思います。
納車の際にかかる、自動車自体の代金以外の費用を『納車費用』といいます。納車費用に該当するのがクリーニング代や、手続きにかかる費用などです。そして、陸送費用も納車費用となります。具体的に陸送費の内容を言うと、「車両未登録の車を運転し、購入者の元へ運んだり、車両輸送用の輸送車を用いて運ぶ際にかかる費用」のことになります。【納車費用に含まれた上で請求される場合】と、【陸送費として別途請求される場合】があります。また、陸送にかかる日数ですが、日数も距離とともに長くなり、近いところで3日程度、遠方ですと1週間以上かかる場合もあります。
一般的に自動車を運ぶ距離によって陸送費の相場は計算することができます。近い距離であれば自走で納車にしてもらうことも可能です。
中古車の場合での相場としては、
・中古車販売店近隣の都道府県であれば2万円程度
・それ以上の距離になると3万円~6万円程度
となっています。
長い距離の場合ですと大きな出費となることもありますので、お見積りの際にしっかりと計算してもらいましょう。
以下に、自走できるトヨタ プリウスを例にして、陸送する際にかかる、陸送費用の一般的な相場を調べてみました。
※2018年3月時点の相場となります
車種 | 陸送費用 |
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車(プリウス) | 55,000円程度 |
車種 | 陸送費用 |
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車(プリウス) | 45,000円程度 |
車種 | 陸送費用 |
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車(プリウス) | 55,000円程度 |
車種 | 陸送費用 |
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車(プリウス) | 60,000円程度 |
陸送を中古車の購入などに利用する場合では、全国に展開している大手販売店であれば、お客様の最寄りの営業所まで輸送してもらい、自らが引取りにそちらの営業所に行く方法も考えられます。
しかし、その様なサービスがない場合は、中古車販売店に陸送を丸投げするのではなく、自ら陸送の見積り・依頼をし、車輌価格の値下げ交渉や、納車諸経費を抑える材料としましょう。
そうする事で陸送費も抑えられ、お車も安く買える事になります。
上手に陸送を利用して、新たなカーライフを楽しみましょう♪
陸送業者に見積りを依頼するところから、陸送が無事終了するまでの注意点についてご紹介します。
陸送費用の内訳が明確であるかを、陸送の見積書ができあがりましたら確認しましょう。
必要が無さそうだと思う項目に関しては、何のために必要なものかをお客様自身で確認することがとても大切です。後々、「別途請求」の項目など、見積書にはっきりした記載がない費用を請求されないために注意が必要です。
見積書は、お客様が納得できるまで項目の内容や意味をしっかり確認しましょう。
陸送の距離が長いケースですと、日数が思いがけずかかることがあります。
委託(引っ越し業者から陸送会社への)など、複数の業者が介在する場合は注意しましょう。
また、引っ越しや移動の多い『陸送の繁忙期』の時期の場合では、想定した日数よりかかったり、お客様の希望する日時に到着しない場合もあります。
到着次第ですぐに使用したいなど予定が決定している場合でしたら、余裕をもって手配するようにし、到着までにかかる日数や日時について必ず引越し業者や陸送会社などに事前に確認することをオススメします。
陸送業者によっては、陸送車両の引き取りの際に、車両の状態を依頼人立ち合いのもとでチェックシートに記述します。
チェックを当日にあわただしくするのが不安だと思う場合や、またはそもそもチェックがない場合などには、お客様が車両の傷や状態を事前にチェックし、車両をスマホなどのカメラで撮っておくことをおすすめします。
さらに、車両外部だけでなはなく内部も状態をチェックし、カメラで撮っておくと安心です。
陸送の日数が多くかかりそうな場合は、可能であれば車両の現時点での状態を陸送業者に報告してもらえないか依頼してみましょう。
車両が不慮の事故などにより損傷を受けた場合には、保険により陸送業者のほとんどが保障対象としてくれます。
しかし、車内に置かれた荷物などに関しては、保険の対象外となっている場合がほとんどのようです。
万が一を考慮し、車内には不要な荷物や貴重品を置いたままにしないように、先述のチェックしたときなどに回収しましょう。
また、陸送で遠方の車を運んでもらう際には、車内の装備品を把握しておくことが大切です。
必ず車両の状態や傷を、納車時の受領サインをする前に、ボディ・内装ともに必ずチェックしましょう。
陸送業者に受領サインをしてしまった後に相談しても、責任の所在が曖昧になってしまいます。
事前のチェックを行い、車両に問題がないのをしっかり確認してから、受領サインされることをオススメします。
一般的には、陸送中に事故が起きてしまった場合、補償サービスが適用されます。ですが、傷や損害の程度にはよりますが補償が適用されない場合があったり、各会社の規定によっては免責となってしまう場合があり、補償内容が異なるケースがございますので、陸送をお願いする際にはしっかりと確認しておきましょう。陸送を利用する場合は、自動車の運ばれる工程や中継点の確認を行って、納車時の車両に異常や傷などがないかしっかりと確認するようにしてください。
陸送業者を選ぶときに、無料見積もりを複数の業者に作成してもらうことをオススメします。
その場合には、大手業者や地域密着型の業者を交えたり、引越し業者なども含めて見積もりを取り寄せてみると、サービスなどの違い、値段の内訳や相違がはっきりしやすいです。
また、不明な点が内訳にある場合は、曖昧なままにせず、業者に問い合わせすることも大切になります。こちらの問い合わせに対して、対応が丁寧でない、回答が何日もかかるなどの、業者の質をチェックしてみましょう。
陸送の値段は高くなっても丁寧に大切に運んでくれることを一番とするのか、陸送の値段が安いことを一番とするのか、業者の選択はお客様の用途にあったものがよいです。
陸送業者によっては、車の輸送に加え、車の車庫証明・名義変更の取得など各種手続きを代行してくれるサービスがあります。
優先する用途に合った業者、自分の優先するサービスを行ってくれる業者を選択することが重要なポイントです。
陸送には、目的地まで該当する車を業者の人自らが実際に運転して運ぶ『自走』と、積載車と呼ばれる輸送車に積み込み、該当する車を運転せず、複数台をまとめて運ぶ『輸送』の二つの方法があります。
陸送車、いわゆる積載車として使用される車には、[ローダー車、キャリアカー]があります。
また、通称[トランポ]と呼ばれるものがバイクの陸送にあり、バイクを倒すことなく安全に輸送できるよう荷室を加工したワンボックスが使用されることもあります。
不動車の陸送には、故障車両や事故車両などの車両を荷台に積み上げる際に必要な『ウィンチ付き積載車』や、クレーン付きとなる『ユニック車』が使用される場合もあるようです。
陸送に『自走式』を選択した場合は、メリットとして目的地まで実際に車を運転して運ぶため、かかる日数は輸送に比べて短くなり、個別に対応してもらえるケースが利用者の要望に対しても多いと言えます。
ですがデメリットとして、自走の場合にはドライバーを占有してしまうといった理由から、料金が高くなるといった傾向が多いので注意する必要があります。
『輸送式』のメリットとしては、輸送を扱う陸送業者は、業務を全国展開する大手会社が多く、料金体系も分かりやすくリーズナブルで、遠方への陸送であってもスムーズに済みます。
デメリットとしては、まとめて積載車に載せて輸送する場合に、かかる日数は自走に比べて長くなり、利用者の個別の要望に関して対応していないケースが多いようです。
上記の理由から、
といったお客様の用途に応じて選択しやすくなります。
事故や急な故障で車が動かなくなってしまうことがあります。そのような車は、廃車にしたり修理工場に運んで修理をするかと思います。では、そのような自走ができない車はどうやって運ぶのでしょうか?
不動車の中でも対処が簡単なのが、バッテリー上がりの車を運ぶ方法です。バッテリー上がりの車を運ぶには、バッテリー上がりの車の前にバッテリーの上がっていない車を準備し、ブースターケーブルと呼ばれる銅線で出来たケーブルでつなぎ、上がってしまったバッテリーを充電する方法があります。また、車を縦列に駐車できるスペースがない場所では、ブースターパックといわれる充電機をつなぐことによって充電することができます。中にはオルタネーターと呼ばれる発電するパーツが不良の場合もありますので、その場合は一時的に充電したとしてもすぐにまたバッテリーが上がってしまうケースがあります。
エンジン関係の故障や電気系の故障などで、タイヤは回るがエンジンがかからない車を運ぶ方法として、セルフローダー車やウィンチ付き積載車で運ぶ方法があります。動かない車の前に積載車を縦列にとめて、ウィンチで荷台に引上げます。ローダウンしている車両や腐食している車両などは、ウィンチで引っ張りあげる際に車体を損傷させてしまう恐れがあるので、これらセルフローダー車やウィンチ付き積載車といった車両で運ぶ依頼をする場合には、注意する必要があります。
1.大きな事故などでタイヤがパンクしたり、タイヤの軸が曲がって回らなくなった車は、どのように運ぶのでしょうか?フロント部分、又はリア部分どちらかの事故でフロントかリアどちらかのタイヤが回らない場合は、レッカーといわれる車両で一部を吊り上げて運ぶ方法を用います。車の種類や大きさ、状態によって2tレッカーや4tレッカー、10tレッカーといった最善のレッカー車を選ばないと、事故車が運べなかったり事故現場にたどりつけないといったトラブルが起こる可能性があります。
2.先に述べたよりもさらに大規模な事故などで、全てのタイヤがパンクしていたり車が原型をとどめていない場合は、主に廃車する際に使用されるユニック車といわれるクレーンのついた車両で引上げることがあります。ワイヤーを窓やフレーム部分に通して車全体を持ち上げ、荷台に載せます。ユニック車を使っての引き上げは車のフレーム部分が大きくゆがみますので、車を再利用するのは難しいと考えた方がいいといえます。ユニック車を使って事故車などを運ぶ場合は、あくまでも廃車を前提とした最終手段としての方法といえます。
車を保有している方であれば住居の引越しと共に、車も陸送などをしてその引越し先で車の手続きをしなければなりません。いわゆる「車のお引越し」ですね!
最近では、大手の引越し会社は引越し依頼と共に、車の陸送依頼も受けるようになりました。近場への引越しであれば自分で車を乗っていけばよいですが、5時間以上かかる場所に引越しをする場合、移動は新幹線で行って車は陸送を使うという場合もあるかと思います。そこで、引越し会社の陸送サービスは誰が車を陸送しているのでしょうか。会社によって違いはありますが、大手である引越し会社の中には、提携会社に陸送を発注しています。
となると、陸送会社に直接依頼した方が良いのでは?その通りです。引越し会社に陸送依頼すると、提携会社に発注しているとはいえ事務手続きなどが発生していますので、少なからず引っ越し会社にマージンが落ちていると思います。引越しをする場合でも陸送は陸送会社に依頼したほうが断然お得です。
車の手続きは陸運局でするため、誰が行っても手数料は変わりません。名義変更の手続き料は、会社によって若干異なるものの、数万円も差があることはないでしょう。したがって、車の陸送を依頼した会社に車の手続きも依頼できれば、それだけで車の手続きに関する手間が全て省けます。車庫証明から名義変更までワンストップでサービスを提供している会社もありますので、その際は聞いてみるとよいでしょう。
車の引越し作業では、陸送と手続きの両方が必要になることをお伝えしましたが、どちらも自分でできる手続きでもあります。引越しは、いろんな場面でお金がかかりますので、少しでも安く済ませたい方は自分で陸送をして、自分で手続きを行うようにすれば、数万円単位で節約できると思います。
車両の陸送は単に動く普通車・軽自動車に限ったことではありません。中には特殊な車両や高級車、不動車などの陸送をご依頼頂くこともあります。今回はイレギュラーな車両の陸送についてご紹介します。
故障でエンジンがかからないや、不慮の事故で自走が出来ない程度の破損状態の車両の場合は、その度合いによって分かれます。
バッテリーが上がっているのみの場合はブースターパックで充電することでエンジンを掛けて積載車への積載を行います。
故障車や事故車で、エンジン自体が掛からなかったり、エンジンは掛かるもののトランスミッションの故障でギアが入らず前進・後退ができないが、タイヤは問題なく回る場合は、ウィンチを使用して荷台に引き上げて積載を行います。
タイヤが前輪もしくは後輪のどちらかが回る場合は、レッカー車でフロント・リアのどちらかを吊り上げて運ぶ方法を用いますが、タイヤが4本とも外されている車両や、大規模な事故等で4本とも回らない場合は、ユニック車という車両を使い、クレーンで吊り上げて荷台に積載する方法を用います。クレーンで吊り上げる為には、作業半径があるかや、近くに別の車両が無いことが条件となりますので、不安であれば直接お電話にてお問い合わせ下さい。
高級車を通常の方法で積載・陸送する場合、公道を自走したことによる飛び石で外装やガラスに傷がついたり、ヤードに止めている間に盗難や傷をつけられたりされるというリスクが生じます。通常の積載車であれば複数台積みの積載車ですが、当社では高級車の場合は一台積の積載車をチャーターして中継地点を経由することなく運ぶ方法をご提案させて頂きます。中には、陸送する車両全体を覆う事で、限りなくリスクを低減させて頂く方法をご提案することもあります。
安いだけの陸送業者の場合は全て免責となっていて何の保証も受けられないこともありますので、陸送業者選びも重要なポイントとなりますが、当社では高級車に関しては原則として特別料金でのご案内とさせて頂き、ご安心してお任せ頂けるよう努めております。
フォークリフトや重機などのスピードが出ない車両や、農業用トラクターのような公道を自走できない場合、通常は積載車での対応となります。タイヤではなくキャタピラ車両の場合は、特殊な車両・特殊な機材を使用しての陸送方法になります。そのため、通常料金でのご案内は難しくなりますので、別途お見積りとなります。
陸送を申し込んだ後に追加費用が発生して「思っていた金額とぜんぜん違う!」なんてことがあります。
陸送費用が、どのような内容で構成されているのか明細について紹介します。
オークションサイトやフリマサイトで中古車の個人売買を行い、一般消費者が陸送依頼をすることも増えてきたように思います。
個人売買の場合は、一般的に落札者が陸送料金を負担するケースが多く、出品者が陸送会社に、車種や年式や車両コンディションなど、中古車の情報をできる限り細かく伝えて陸送費の見積もりを取るケースが多いと思いますが、陸送依頼をした後に追加費用が発生するケースが多く、その追加費用は落札者が支払うようになっているケースが多いので、それが個人間売買でのトラブルとして増えいています。落札者としては、車自体は中古車販売店より安く購入できたのに、陸送費用が高いあまり、結局のところ得をしなかった。ということにもなりかねません。
では、どの様な理由で追加費用が発生するのでしょうか?
具体的に代表的なものだと、「車高の高さが思っていたより低かった」という場合です。中古車を陸送する際に、多くの場合は積載車を使って輸送します。積載車は最近ではさまざまなものがありますが、荷台が地面に向けて斜めになるもの、フルフラットになるもの等。いずれの場合においても、車高が低い場合は積載車の荷台の底部分に車体の下部が擦ってしまう恐れがある為、ノーマルからカスタマイズしてあるエアロ・車高調などローダウン車によって輸送方法が変わることがあります。特に、地面に向けて荷台が斜めになる積載車においては、あまりにも車高が低い場合、フロントバンパーが荷台にぶつかってしまい、前進もバックもできなくなるという事態も考えられます。お客様の大切な自動車をその様に扱うわけにはいきません。万が一、積載車での陸送ができない場合は自走での陸送となり、距離にもよりますが車高の輸送方法によって料金が変わります。
もう一点の代表例でいうと、バッテリー上がりによるものです。これは、陸送を依頼する際に事前に陸送会社に伝えていた場合は特に追加費用がかかりません(一般的に)。依頼の際にはバッテリーは問題なく、ドライバーが現地に行った際にバッテリー上がりになっている場合は、その場で対処ができない場合があり、もう一度出直さなくてはならないケースがあります。この場合は、追加費用が発生するというよりは、ドライバーが引き取りにきてくれた経費(陸送会社として人件費や交通費)などを請求されるケースがあります。陸送会社もその近隣で別の車の引取りがある場合などは請求をしないケースもありますが、バッテリー上がりは気をつけたほうが良いでしょう。中古車の場合、いくら新しいバッテリーをつけていても、年式が10年以上経過している車や、新しい車でも直近2ヶ月間エンジンを始動していなかった車などは注意して陸送の引取当日までエンジンをこまめにかけるか、その旨、陸送依頼をする際に伝えておくのが賢明といえます。万が一、バッテリー上がりによるドライバーの空振りが発生した場合は、エリアや車高等々によって料金が変わるので、あらかじめ現状の改造内容をお知らせください。
陸送費は、例外を除いては移動距離によって決まりますので、長距離であればあるほど陸送費が高くなると思って頂いて問題ありません。しかし、長距離であっても、意外に安く済むケースもあります。
それは、中古車の引き取り先・納車先を自動車関連業者の場所にすると、個人間の陸送費より安くなるという方法です。これは、自動車販売店などの場合は国道沿いなどに店を構えているケースが多く、個人宅に陸送するのと比較して、一台積の積載車で持っていかなければならないのか、それとも5台積などの大型積載車で持っていくことができるのか、という違いあります。一回で多くの車を陸送できるほうがコストが安くなる為、顧客に向けた陸送料金も安く設定されています。
陸送費に関する情報をお届けしましたが、中古車は機械物ということもあり、さまざまなケースが考えられるため、専門業者でない限り全てを把握することは難しいかもしれません。一番良いのは、陸送依頼をする際に「追加でかかる費用はありませんか?もしあるのであればそれはどういった場合ですか?」と質問してみると良いでしょう。陸送費は安い方が良いのは言うまでもありませんが、追加費用がかかっていては後々に残念になってしまいます。この情報がお役に立てば幸いです。